「じゃま。 どけよ」 聞き覚えのある声が聞こえた。 瞬間、 その人は私を抱きしめていた誠也の腕を掴んだ。 「お前に言ったんだよ。 なに麻美に抱き着いてんだ」 はじめて呼ばれた名前。 不覚にも、ドキッとしてしまう私がいた。