さっきまで軽やかだった私の足どりは、重い。 「ちょ、邪魔だ! そこどけっ!!!」 いきなり後ろから聞こえた声。 「え…?って、きゃあっ!!」 ガッシャーンッ!! と派手な音をたてて、 私は倒れ込む。 私にぶつかってきた人も、 自転車と共に倒れていた。 「…ってぇな」 ムクッと頭を押さえて、 不機嫌な顔をしているその人は、 桜井くんだった。