「わざわざ千歳のためにお土産なんか買わないから」

「またまたぁ照れちゃってぇ。なんだかんだ言って、毎回買ってきてくれるクセにぃ」

語尾にはぁとまぁくでも付きそうな言い方をして、後ろから抱き付いてくる。

「ちょっ、放してよ気色悪っ」

「アハハハハハハ」






幸多万里は幸運体質少女。

けれど彼女が真に幸せを感じるのは、

買ったアイスが当たった時でも、甘い物を腹一杯食べている時でも、思った通りに事態が運んだ時でもなく



大切な人と過ごしている時だったりする……のかもしれない。



「あぁ、幸福過ぎて怖い」