アルフレドの提案に反対する者は現れない。

結局、修学旅行の班決めは、くじ引きで決定される事となった。



端の席の生徒から順番に、教壇までくじを引きに行く。

一人、また一人と、生徒達はくじを引いて行き、遂に千歳の順番が回ってきた。

千歳が椅子から立ち上がろうとした瞬間

「待って」

アリスカがストップをかける。

「思ったんだけどさ、千歳ちゃんと万里の分は、誰か別の人が引いた方がいいんじゃない?」

確かに、と女子達の間から声があがった。

班決めには特に意見のない千歳と、彼女とは同じ班になりたくない万里。

体質から考えて、二人が自らくじを引けば、ほぼ確実に千歳と万里は別々の班になってしまうだろう。

「私は誰が引いてくれてもいいよー」

言わずもがな、ヘラヘラ笑う千歳。

その笑顔を一瞥して

「そんなに言うならアリスカ、アンタが引けばいいでしょ」

苛々した表情で、万里は言い放つ。

よほど機嫌が悪いのか、ポケットから新たな飴を取り出し口に放り込むと、またガリガリと噛み砕き始めた。

皆様、苛々には糖分ですよ!