ダメだ、意識をしてしまう。


「べっつにへ、変じゃないし?か、会社!行かないと、うん!」


私は避けるように身支度を始め、家を飛び出した。



会社についても、凛のことが頭から離れず仕事に集中できない。


「おっはよー!」

私とは打って変わって何故かいつもより元気な陸が出勤してきた。


私はこいつのせいで今悲惨な状況だっていうのに。


「どしたどしたー?元気ないぞ薫!」

「誰のせいだと」

「藤原さん、良いことでもあったんですか?」

「佐々木さん!まぁ、あったっていったらあったんですが、聞きます?」

「ははっ、今は遠慮しときます。佐藤さんは元気ないですね」

「ちょっと色々ありまして」

「そうですか。よかったらランチ一緒に行きませんか?」

「え?あ、そういえば、この前奢らせて下さいって言ってそのままでしたね」

「まぁ、それもありますが、佐藤さんとお話をしたいと思いまして」

「分かりました。ランチ、一緒に行きましょう」


私はなんとか午前の仕事を終わらせ、佐々木さんと社内にあるちょっとオシャレなカフェへむかった。