あの人と暮らしはじめ、結構月日が過ぎた。

正直、こんなに長く同居生活が続けられるなんて思ってなかった。

不思議だ。

あの人と、もっともっと一緒に暮らしたいとさえ願う自分がいる。


・・・馬鹿らしいな。


そんな願い、叶うわけないのに。


叶えては、いけないのに。



「凛、早く起きないと学校遅刻するよ?」


きっとあの人は、早く僕が出て行ってくれることを願っているはず。

そもそも、なんで僕なんかと暮らしてくれているのだろうか。


「りーんー?」


僕のことをどれだけ知っているのか。

あの人にとって、僕とは・・・。


「凛!!」

「・・・まぶしい」


布団を剥ぎ取られ、カーテンの隙間から差し込む朝日が、僕を照らした。