凛に腕を抱きつかれたまま、真っ暗な道をゆっくり歩いていく。


「あの・・・凛くん。ものすっごく歩きにくいんですけど」

そう言った瞬間、上から何かが降ってきた。

叫びながら先に進むと、今度は横から何かが飛び出してきた。

そのあとも、数々の仕掛けが私達に襲いかかってきた。

そして、やっとのおもいで出口に辿り着き、外へ出た。



「おかえりー!はい、預かってた荷物。また来てねー!」

お化けくんはニッコリ微笑み、荷物を返却した。



「凛、外に出たよー?」

凛は相変わらず腕に抱きついたまま、微かに震えていた。


「おーい!凛?」

顔を覗きこむと、ハッとした様子で、私の顔を見つめ、慌てて離れた。


「ま、まったく!お化け屋敷なんて本当に子供っぽくてつまらないです」

「楽しかったじゃん!てか、凛やっぱり怖かったんだねぇ」

私は笑った。

凛は、少し顔を赤らめ否定した。

「怖くなんてないです!」

「私にしがみついてたくせにー」

「あ、あれは、おばさんが怖くないようにと気遣って」

「震えてたよねー」

「そ、それは・・・」


なんでだろう。

普段の凛ではない凛を見てるようで、ちょっと嬉しかったりする。

不思議だ。