あたしを見つめる隼人の目が優しい。
「……………」
「何で黙ってんだよ。その口は何のために付いてんだ?」
……ねえ………どんだけ不器用なの。
乱暴な言葉が隼人の優しさを隠しちゃうんだよ。
泣きそうな顔をするくらい辛いことを1人で背負いこむなってことが言いたいんでしょ?
ねえ、隼人。
隼人。
好きだよ。
ーーギュッ
気づくとあたしは隼人を抱きしめていた。
「おわっ!」
抱きついた時の重みに耐えきれなかったのか隼人が体制を崩し、あたし達は屋上の床へと転がる。
隼人が下敷きになっているから、あたしに怪我は全くない。
背中にある隼人の手を感じて、咄嗟に私を守ろうとしてくれたんだ。と思うと胸がキュンとなる。

