実際に手に取ってよく見てみると、この小包にはいくつか不審な箇所があった。
まず気になったのは、最近にしては珍しく、茶色い無地の紙に包まれている点。
しかしそれは、そんなに深く考える程には不審でもない。

何よりもこの小包には、送り主どころか宛先までも記されていないのだ。
この事実は不審を通り越して、最早不気味とさえ思えた。