「さ、家まで送るよ」

彼の言葉に、由紀は思考を現実に引き戻した。
早退をした手前、流石に昨日と同じ格好では出社できない。
取りあえず急いで帰宅した。

部屋に着くなり慌てて鏡を覗き込むが、やはり特に変化はない。
心底から安堵した由紀は、欠勤する事も考えたのだが、朝帰りした挙げ句に欠勤では、同じ合コンに出席した他の女性社員に対して体裁が悪い。

気を取り直すと、いつも通りに出勤の準備を始めた。