それから更に月日が経ち、もう誰もが以前の由紀の事など忘れたかのように、すっかり皆と打ち解けていた。
女性社員の中には妬みの声も持ち上がっていたが、由紀の堂々とした存在感の前に、面と向かって文句を言える者などいなかった。
それに由紀は既に男性社員の間では人気者となっており、下手に悪口でも言おうものなら、社内中に敵を作る事にもなりかねない。

益々存在感を増した由紀の周りには、彼女を支持する派閥が出来上がる程であった。
愛想が良くテキパキと仕事をすると、上司の評判も良かった。
同期の中では、一番の出世頭になるだろうと、目されてもいた。

こうして社内でも確固たる地位を築いた由紀は、新たな素晴らしい人生を存分に満喫していた。