しかし華やかで麗しく、美しい顔。

こうなると普段の地味な服装では、とてもアンバランスなように思えた。
クローゼットの奥から、着ることなくしまわれていた、明るい色の服を引っ張り出す。
これまで由紀はその性格故に、常に地味な服ばかりを選んできた。
引っ込み思案で、あまり人の注目を集めたくないのだ。
それに昔から根暗だの陰気だのと言われてきた事もあり、明るい服など自分には不釣り合いだと思っていた。