こんな心地良い眠りに就いたのは、いったいいつ以来であろうか。
すっきりと目覚めた由紀は、枕元に置かれた仮面を見て、あれが夢ではなかったのを確信し、逸る気持ちで出勤の支度を始めた。

すっかり準備が整うと、最後の仕上げに洗面所へ向かう。
昨夜に試した時と同様に、仮面はスッと肌に吸い込まれた。

部屋へと戻り、改めて鏡を覗く。
明るい場所で見ても、全く違和感がない。

紛れもなく自分の顔だ。