ピンクなレース




(自己アピール忘れてる!!)



と気付いたときには、すでに椅子とお尻がくっつく寸前で



再び立ち上がって付け足そうか
とも考えたが



(……まぁ…いっか)



後ろから椅子をズラす音
人が立ち上がる気配を感じ



そのまま、重力に従って腰をおろした時だった





「10人って………」


仁子の耳に微かに、そう呟く声が聞こえたと思ったら



「多っ!」



前の席の堺くんが振り返り声をあげた