(やっぱり、アラームをセットしておいて正解だった)


仁子は、安堵の溜め息をこぼした



電車通学の葉名は、自転車通学の仁子より30分程早く家を出る




まだ高校に入学して1週間の葉名は


慣れきっていない生活リズムと

その、少しおっとりとした性格を仁子に心配され



家を出る時間にアラームをセットしておくよう、入学式の翌日言われたのだ




「大丈夫だよ!お姉ちゃんは心配性だな〜」


なんて、笑顔ながらも拒んでいた葉名だったけど



駅へ向かう途中、半ば強制的にアラームをセットした仁子に心底、感謝していた



(入学早々、遅刻なんてイヤ!)