― どのくらい気を失っていただろう?

5分?10分?

純は軽く頭を振った

隣で殺し屋が運転している
「・・・どこに?」
気付いたばかりでまだ頭がよく働かない

殺し屋が純の膝にポンと、黒い手帳と携帯を投げた
「この山道の先に、神崎の別荘がある」

純がハッとする
「遥香をそこに?」
「おそらく」
殺し屋がタバコに火をつけた

よかった
ひとまず遥香を見失わずにすんだ

純は杉本に拉致された時の事を思い出していた

絶対に早い段階で助け出さないと!

純は海堂が遥香に近づいた理由に気付いていた