まるで話し合いが終わったときを見計らっていたのか久米が牛乳パックの入ったビニール袋を提げて戻ってきて、無事帰ってきたことにちょっと安心もした。
それからは食後のお茶をして、お茶をしている間はあたしたちの学校生活なんかの話をして、夜も8時になった頃、お父さんが送ってくれると言ってくれた。流石に悪い気がしたけど、久米が遅くなったから、と言って半ば強引に送られることになった。
まぁ確かに今一人で帰るのはちょっと…と思ってたからありがたかったり。もし一人で帰ることになったらタクシー(保健医)でも呼ぼうかと思ってたから。
ちょうど制服のブラウスも乾いたし。
そんなわけで家に着いたのは8時半を少し回っていた。きちんと頭を下げ家の前で別れる間際、一緒についてきた久米が少し寂しそうに眉を寄せ
「じゃぁね、鬼頭さん。また明日」と言って手を振ってくる。あたしもその顏にゆらゆらと手を振り返した。
また明日―――…その約束は、ストーカーが捕まれば終わっちゃう関係なの?
恋じゃない、愛じゃない。でもあたしは―――久米ともっと一緒にいたいって思ってる。
車を見送るつもりでしばらくその場に佇んでいたけど、
「危ないから早く入りなよ」と久米が苦笑して促され、あたしは小さく頷き今度こそ車は視界から消えた。
家に入るとキッチンの方から灯りが漏れていて、すぐにひょっと乃亜が顏を出した。
「おかえり~、遅かったから心配したよー」と乃亜は可愛らしくちょっと頬を膨らませている。
「ごめん、でも一応メールしたけど」
「それでも俺らはお前の無事な顏みなきゃ心配なの」と乃亜の背後から明良兄も顏を出し、あたしの頬は自然に緩んだ。
何だか一日ピリピリしてたから、やっぱこのメンバーがは安心する。
けれどすぐに気を引き締めて
「ねぇ、みんなから安否確認のメール届いた?」と乃亜を見ると
「うん、神代先生以外は全員……」
みんなと言うのはあたしと久米を含め、他に梶と保健医。
水月が―――……?
不安になってケータイを慌てて開き、すぐに電話をするもコール音が5回程鳴って留守電サービスにいっちゃった。
水月―――…
―――どうしたの。