その反応からすると、二年前に久米が庇って自ら怪我を負った女の子だと言うことをすぐに察した筈。


とりあえず謝ろう、と思って頭を下げようとすると


「ずぶぬれじゃないか。冬夜、こんなになるまで女の子を連れ回して…」と、久米のお父さんは久米に対して呆れた顏をして吐息をつく。


「あの…あたし…」と何か言おうとすると


「とりあえず、そんな格好でいると風邪ひくよ。シャワー浴びてきなさい」とお父さんは心底心配したように眉を寄せ、


「え…でも…」と流石に面食らっていると、久米が僅かに顏を逸らしその横顔がほんの僅かピンク色に色づいていて


「シャワー、浴びてきなよ。その格好は目の特…じゃなくて目の毒…流石にそのままでは帰せないよ」


何だよ目の特、しかも目の毒って。訝しく思って久米を見上げ、次いであたしの格好を見ると白いブラウスの下、雨の水滴が肌に張り付いていてブラウスの下で肌が透けて見えた。ついでにブラウスの下に着ていた淡いブルーのキャミも浮き出ている。


うわ…


慌てて前を隠すようにして腕を抱きしめると


「はは、冬夜もこう見えて男だから」とお父さんは明るく笑う。いやあなた、もっと息子のこと咎めようよ。と思ったけど素直な好意は嬉しい。


と言うわけで、あたしはほとんど強引にバスルームに押し込められた。