「…うん、そうゆうこと」多くを話せないから今はそれを伝えるのが精一杯。
「神代先生も……知ってるの…?」心配そうに聞かれて、あたしはぎこちなく頷いた。
何となく察したのだろう、あたしがこれ以上話したがらないことを。立ち入れない領域だと言うことを。何もかも打ち明けるわけにはいかず、嘘と秘密と隠し事だらけのあたしだけど、岩田さんは気に掛けてくれる。
「そう言えばさ、こないだ買い物行こうって約束したじゃん?いつだったら大丈夫??あ、もし良かったら久米くんも」
と岩田さんは話を変え、あたしはちょっとの間目をまばたいた。
「久米も…?」
「うん、って言っても三人だと久米くん居づらいか~」と岩田さんは顎に手を置き考えている。
「買い物はちょっと…」
「だよね…」
「カラオケとかは?」あたしが提案すると岩田さんがパッと顔を上げた。ちょっとびっくりしたように目を開いている。
あ、言わなきゃ良かったかな…言った後になって早速後悔…
てかあたしってこんな性格だっけ。人の顔色窺って後悔、とか一番無縁だったのに。
でも岩田さんは
「カラオケ!♪うん!いいネ!行こうよ!絶対ね!」と顏を輝かせた。
放課後にカラオケとか。
梶とは一回だけだし、水月ともあんま頻繁に行けない。行っても遠く離れた場所とか。
だからこそ―――何だか、あたしって普通の女子高生じゃん?
いや、普通の女子高生だけどね。でも何だか
ちょっとだけ
楽しいよ。



