和田先生と別れて僕が視聴覚室の引き戸を開くと、中には僕を除くメンバーがすでに顔をそろえていた。
雅に久米、
楠兄妹、それから梶田とまこ―――
僕を入れて
七名だ。昨日リレーメールを回したメンバー誰一人欠けてはいない。
メンバーはそれぞれ緊張を帯びた表情で、椅子に座っていたり窓の近くをうろうろしていたりしていた。
「僕が最後?ごめん、遅くなったみたいだ」
「ううん、ほぼ予定時刻だよ」
そう答えたのは雅だった。
こうやって……僕の問いかけに普通に答えてくれるのが
随分懐かしい気がした。
僕は後ろ手に扉を閉めると、内側から鍵を掛けた。
「さぁはじめるよ」
雅が全員を見渡し、ここで彼らははじめて顔を見合わせたかのように互いの顔を確認して
やがて全員同じタイミングで頷いた。



