森本を追ってパールのピアスのことを問いただすことも一瞬考えたが、今は雅との約束の時間が迫っている。
それに森本に聞いても本当のことを言ってくれるとは思えなかった。
それよりも雅たちと話し合って犯人を見つけることに専念した方が手っ取り早い。
それでも一応結ちゃんに警戒するように彼女に電話を掛けた。
まさか彼女を巻き込んでしまうとは思っていなかったから申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
しかし彼女の電話は繋がることがなかった。
授業中かな―――
僕はメールで『怪しい人影を君の家の前で見たから、なるべく家にいるように。このメールを見たら連絡ください』との旨を書いて送った。
怪しい人影…なんてのは嘘だが、詳しく説明している時間はない。
僕はケータイを握り締め、今度こそ第二視聴覚室へと向かった。



