このタイミングで送られてきたのだから、もはや偶然ではないだろう。
封筒を逆さにして最初に転がり出てきたのは
パールのピアス
だった。
それも片方だけ。
桜貝みたいな色のパールのピアス。
それは森本のお姉さん結ちゃんが、妹に無くされたと言っていたピアスに思えた。
僕は実物を見たことがないからそれが本物なのかどうか見分けがつかなかったけれど、
次に出てきた写真の一枚を見て、それが彼女の探していたピアスの片方だと言う事に確信をもった。
写真は―――
車の後部座席の向こう側、運転席には僕と、そして助手席には結ちゃん。
僕たちの顔が重なり、見ようによっちゃキスしているように見える―――
いや、事実キスされているけれどそれは唇にじゃなく、頬に。
でもアングルのせいか僕たちがキスしているように見える―――
写真を裏返すと、そこにままたも新聞や雑誌の文字の切り抜きが乱雑に並んでいて
“鬼頭雅がこれを知ったらどう思うかな?
彼・女・と・別・れ・ろ。
さもないとこの女の命もない”
と綴られていた。



