HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~




「お前の言ってる意味は分かるよ?


でもそしたらまた相手の思う壺だぜ?何せ犯人の一味はお前のクラス内に居る可能性が高いからな」


保健医は眉間に皺を寄せ渋い表情を作った。


「だからその状況を逆手に取るんだよ。


先生、演技は上手―――?」


意味深に笑いかけると、


保健医は肩をすくめた。


「ダメ。俺小学校の学芸会とかも棒読みだったもん」


「それはそれで面白いけど、でも今回は本気で演って」


あたしが真剣に言うと保健医はまたも軽く肩をすくめた。


「主演女優はお前?


俺は通行人その①ぐらいでいいよ」


「主演はみんなだよ。この事件に関わっている



みんな」



「みんなってどの程度のレベル?まさか千夏まで引っ張りだしてくる気じゃないだろうな」


保健医が睨んできたけれどあたしはそれを無視して、指を一つ一つ数えて名を挙げた。


「あんたと水月、そして梶と乃亜、明良兄、久米と…できれば右門 篤史も呼びたいけどそれは無理そうだし、まぁそこんとこは目をつむるよ」


「お前を入れて総勢七人の舞台ってか?


楽しそうじゃん」


保健医は薄く笑って指の関節を鳴らした。





さぁ




反撃だ。





あたしは魔女に負けやしない。