「この薔薇のシール付のメッセージが送られてきたのは久米と先生?」
あたしは確認する意味でカードを保健医から取り上げて真剣に見つめた。
「それから水月にも」
水月にも――――……
水月はそんなこと一言も…
「お前を動揺させないためだ。でもここで分かったのはその文面の内容がほぼ同じだと言う事だな。
手当たりしだいなところからすると、犯人は誰がお前のオトコか見当がついてない可能性がある」
「なるほど…ね」
と言うことは、近々明良兄のところにも届く可能性があるってことか。
あたしはカードを見つめて
「もしかしたらその状況を逆手にとってうまく利用できるかもしれない。
犯人の狙いがあたしたちの仲をバラバラに引き裂くことにあるのなら
その目的を叶えてやろうじゃん」
カードを手にしてにやりと笑うと
「やっといつものお前らしくなってきたな。
でも、どうやってやるんだ?てか目的を適えるって?」
保健医がわくわくしたように聞いてきて、あたしは目を細めた。
「先生が言った通り、あたしたちは隠し事が多すぎる。
恋人や親友ですら、互いの相手を守ろうと嘘をついて騙し合いだ。
今、それぞれの隠されたカードはバラバラ」
あたしは指でカードを挟み軽く掲げると、保健医は目をぱちぱち。
「まずはその嘘を繋げること―――
誰が何のカードを持っているか、持ち札を見せてもらう」



