キス――――………?
そう思って自然目を閉じる。
久米の顔が近づいてくる。
久米の香りが近づいてきて、睫があたしの頬をかすめた。
唇と唇が触れ合う瞬間――――
裏 切 リ モ ノ
ア ン タ ハ 水 月 先 生 ヲ 裏 切 ッ タ!
裏切リ モノ
裏切リモノ
ウ ラ ギ リ モ ノ !!
「――――っは…」
バッ!
あたしは唇が触れ合う瞬間、久米を押し戻していた。
心臓が暴れる。狂ったように不整脈を起こし、呼吸が苦しい。
「……ご、ごめん…突然…」
久米が戸惑ったようにあたしから手を離す。
あたしは首を横に振った。
違う。久米は悪くない。
そのことを伝えたいのに、言葉にはならず呼吸だけが虚しくあたしの口から吐き出される。
手足の先が痺れて、心臓が壊れそうなぐらいな勢いで暴れまわっている。
息が苦しい。
息ができない―――
誰か
助けて。



