■Chairs.13



◇◇◇◇◇◇◇◇



一限目の終わりぐらいで、お腹が痛くなってきた。


吐き気を伴った痛みに顔をしかめながら、何とかその授業だけはやり過ごした。


待ちに待った休み時間、あたしはぐったりと机に突っ伏した。


言葉では言い表せない複雑な鈍い痛みに思わず目を閉じる。


頭がふらふらする。考えがまとまらない。


内臓を刺激されるような痛みに、脂汗が浮かんできた。


「鬼頭さん、具合悪そうだけど大丈夫?」


偶然通りかかったのだろう、岩田さんが心配そうにあたしを覗き込んできた。


「……大丈夫…」


そう答えるのが精一杯。


「大丈夫じゃないじゃん、保健室行ってきなよ」


岩田さんが益々心配そうに声のトーンを落として、あたしの肩に手を置いた。


「……保健室…」


それもいいかもしれない。


次は―――水月の授業だ。


会いたくない、とかじゃない。


むしろその姿を視界に入れたいのに、今は―――




辛いんだ。