「ワケわかんないワ!そんなの楽しくないじゃない!」
シャーロット先生…
「短い高校生活をエンジョイさせてアゲルのが、教師の務めってものでショウ?
それをそんな汚いやり方で勝たせてあげても、A組生徒は嬉しいのかしら」
シャーロット先生はまるで自分のことのように目を吊り上げて怒っている。
途端に和田先生があせあせ。
「シャーロット先生が仰ることもごもっともですが、日本では教育もビジネスなんですよ。
少子化が進んでいる世の中、学校側はどこも次に入学する生徒を獲得するのに必死なんです。特にうちは私立ですからね。
いかに頭の良いエリート集団が目立つか、で学校の評判が左右されるんですよ」
和田先生がシャーロット先生に説明するも、シャーロット先生は益々眉を吊り上げて腕を組むと和田先生を睨み上げた。
「じゃあタケルはA組に票を入れるって言うの!?」
「いえ、僕は―――…」和田先生はそういい掛けて、ちらりと僕を見ながらやがて深いため息をついた。
「僕は最初から決まってますよ。自分のクラスには投票できませんからね。
僕は神代先生のところです」
和田先生―――……
「勘違いしないでください。僕が神代先生と仲が良いから入れるわけじゃなくて、
D組の生徒が一生懸命になって取り組んでいる姿を見たから、入れてあげたいなって思っただけです」
「じゃあ何でミッキーに教育が何だとか、PTAに逆らうなとか言ったのヨ」
シャーロット先生はどこか納得言ってない様子で腕を組んだまま、和田先生を睨んでいる。
「現状を知る必要があるでしょう。
神代先生、あなたは…いえ、あなたのクラスはこの学校で極めて不利な状況にある。
それを踏まえてもう一度、劇やカフェの構成、それから客集めを考えた方がいいんじゃないですか。
僕のクラスだって負けたくないわけですからね、僕もやはり自分の生徒が可愛いから今構成を再考察中です。(石原先生やPTAに目を付けられない程度に)
会費で勝るA組はささぞ豪華で完成度の高い出し物を出してくるでしょうが、D組には
―――鬼頭が居る。
僕はこの2クラスの一騎撃ちだと踏んでいるわけですが」
和田先生が真剣な顔で僕を見てきて、僕は大きく頷いた。
一騎撃ち―――
D組とA組の
負けられない。



