□Chairs.12



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雅に日誌を渡した。


気持ちを押し付けるようなことをしてしまった気がしたが、


鬱陶しかったら、無視するだろう。


それも悲しいしショックだが。


だが、彼女に聞かされた気持ちが本心じゃなかったら―――


いや、僕はそれを願っている。





―――…なんてかっこつけちゃったけれど…


ホントに無視されちゃったらどーするの、僕!


速攻で消されてたりして…


いや、彼女のことだから破り捨てるだろうな…


『ビリビリっ!』



雅が無表情にそのページを破っている姿が容易に想像できちゃったり…


いかん。考えれば考える程、マイナスにいってしまう。


マイナス思考は良くないぞ、水月!自分に言い聞かせて背筋を正すも、


…やっぱり迷惑だっただろうか。




教室で見た雅は―――



昨日と変わらず、いつもと変わらず


表情を少しも崩さない。


僕が日誌を手渡しても、動揺どころかいつも以上にそっけない気がしたし。






教師と生徒―――……






に戻ったと言うより、



まるで最初から僕たちの間に何もなかったかのような―――