水月―――…
あたし酷いやり方で一方的に水月を遠ざけたのに、水月はあたしを恨んでるかと思ったのに。
まだ
好きでいてくれてるんだね。
日誌を見て思わず息を呑み、口元に手をやると、
「鬼頭さん？どうしたの？」
と久米が怪訝そうにあたしを覗き込んできて、あたしは慌てて日誌を閉じた。ペンケースから消しゴムを取り出す。
そのメッセージはすぐに消せるようにわざと薄く書いてあったけれど、
あたしは消しゴムをペンケースに戻して、日誌を机にしまった。
あのページをコピーとってから、消そう。
そう決めた。
水月、
あたしも好きだよ。
あたし
こんな熱烈なラブレターもらったのはじめてだよ。
たった二行なのに、こんなにも嬉しい。
“ストーカーの手前、教師と生徒と言う関係を、表向きには貫くつもりだけど、
気持ちは変わらない”
そう言われている気がして、
二人だけが知ってる秘密のやりとりだと
改めて
思った。
