あたしたちは会議室のような場所に入れられ、折りたたみ式の長い机に三人一列に並べられていた。


梶はどうか分からないけれど、あたしと久米は見るからに非行少年少女と言う風に見えないのか、


女性警察官の対応も始終威圧的なものは感じなかった。


お茶なんかを出されて、


「落ち着いたら話してくれる?」とまだあたしたちから事情を聞くのを諦めてない様子だ。


全部話してしまえば楽になる。


だけど話しても、警察は何もしてくれないだろう。


それにあたしが犯人をおびき出したことを知ると、逆に怒られるかもしれない。


いや、怒られることなんて怖くない。


何らかの形で学校側に知られて、停学処分や退学処分を食らうのが怖いだけ―――


そうすれば水月だってただじゃ済まされないだろうし―――


そう考えて




その一時間ほどあとに、





「鬼頭!梶田、久米!!大丈夫か!?」




と水月が血相を変えて登場した。


水月の後ろに保健医の姿もある。こっちも若干余裕のない表情で、口元を引き締めていた。


「三人の担任の先生ですか?」


女性警察官が立ち上がりキビキビした様子であたしたちと水月を見比べた。


「ええ。担任の神代です。生徒が事故に巻き込まれたとか」


「奇跡的に軽傷です。どうやら生徒さんが道路に急に飛び出したみたいで。彼らもそれを認めています」


「飛び出し……?」


水月が目を開いてあたしたちをゆっくり眺める。


女性警察官は水月に考える隙を与えないように、さらに続けた。


「詳しい事情を知りたいのですが三人ともだんまりで。事故現場の検分とドライバー側からの調書は取りましたので、


今日は三人には帰っていただいて結構ですが、また後日お話を窺うこともありますので、そのことは了承いただきたいのですが」


女性警察官は淡々と説明して、案に「連れて帰れ」「指導をしっかり」と含ませて出入り口を促した。