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その後あたしたちは…事故の当事者であるあたしと梶、その場に居合わせた久米が事情聴取とかで近くの警察署に連れて行かれた。


警察署の医務室で手当てを受けながら、それでも早いうちに大きな病院で検査を受けることを勧められた。


梶は怪我一つ負ってなくて、事故に遭ったワゴン車の運転手も軽い打ち身で済んだ。


しかも気の弱そうな男の人で、


「制限速度を15キロオーバーだったよ」と交通課の警察官に問い詰められると、


「本当にすみませんでした!」と顔を真っ青にして頭を下げている。


いや、飛び出したあたしたちの方が悪いから。


と可哀想に思ってあたしが警察官に説明すると、


「君たちもねぇ、何で飛び出したりしたの」


と怒ったように目を吊り上げている。


何で飛び出したのか、理由は説明できない。あたしも梶も、それから巻き添えを食らった形の久米も揃って押し黙った。


「何か事情があるの?話してみなさい?」


今度は生活安全課の女性警察官が、声のトーンを和らげてあたしたちを順に眺める。


それでも口を噤んでいると、大きくため息を吐き、


「君たち高校生よね?とりあえず保護者の方に連絡するから番号を教えなさい」


と慣れた口調で、手帳を取り出す。そこに氏名や住所を書き込むつもりなんだろう。


女性警察官に問われて、あたしは両親が海外赴任していることを伝えると、彼らは一瞬だけ困ったように顔を合わせた。


だけどそれは本当に一瞬で、「じゃぁ学校名は?」とまたも慣れた口調で聞いてくる。


マニュアルでも存在するのだろうか。その口調は事務的だった。


結局学校に電話をして、梶の方は家に居たお母さんが飛んでくるようだった。







学校―――と言うことは当然、水月が呼び出されるわけであって―――