TRRRRRR








ケータイが突如鳴り響いて、ドキリと心臓が鳴った。



僕のケータイじゃない。まこ、のだ。まこは慌ててケータイを取り出した。ディスプレイを見て、ちょっと驚いたように目を開く。


「学校からだ…生徒が怪我でもしたのか?わり、ちょっと」


と言って小さく断りを入れ、まこは電話に出た。




まばたきもせずじっと僕の話に耳を傾けていた真愛ちゃんは、話が途切れたことを合図に大きく目をまばたかせた。


「あたし―――…冬夜兄ちゃんが先生にそんなこと言ったのは信じられない」


やっぱり―――そうなるよね……


逆の立場でも、僕だってそう答えているに違いない。





「でも、あたし先生を信じる。冬夜兄ちゃんも信じる」





彼女の言葉に今度は僕が目をまばたかせた。


「きっと冬夜兄ちゃんが先生にそんな酷いことを言ったには理由があるんだと思う」


「―――信じて…くれるの?」


「うん、信じる。直感ってのが大半だけど、先生は自分の立場の危険を冒してまで、必死になって伝えてくれた。


先生こそ、あたしを信じていいの?あたしがママたちにバラしちゃったりしないかな、って思ったりしないの?」


僕は思わず笑った。





「直感。君はそんな無粋なことする子じゃないって」