□Chairs.8



◆◆◆◆◆◆◆◆





久米と右門議員の繋がり―――


被害者と、加害者。


ようやくうっすらと事件のあらましが分かった気がした。


だけど知ったところでどうすべきか分からない。


「どうする?相手は議員だぜ?俺たちが手出しできる問題の範囲を超えてる」


まこが険しい表情で僕を真剣に見据えてきて、僕はそれに何も返せなかった。


向かいの席で、安藤母娘が不安そうに手を取り合って、


「あの…それについてまた冬夜に問題が……?」と叔母さんの方が眉を寄せて聞いてきた。


「まだ分かりません」


そう答えるのが精一杯だ。実際、久米が何を考えているのか僕にはさっぱり分からないのだから。


安藤母娘は益々不安そうに身を寄せ合い、口元に手をやっていた。



まこの言う通り、確かに相手は議員だ。


下手したら、僕たちの立場どころか雅や、さらには久米一家にも何らかの危険が及ぶ可能性がある。





でも、ストーカーは今も続いているんだ。




そいつは雅を今でも狙っている。





その現状を黙って見過ごすわけにはいかない。僕は彼女を守ると決めたんだ。