□Chairs.6



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“鬼頭 雅ニ近ヅクナ



コレハ忠告ダ



コノ忠告ヲ無視シタ場合、命ハ無イ”




例の薔薇のシールの貼ってあった白い封筒の内容はたった一文そう書かれていた。


授業が終わったあと改めて職員室で開いてみたところ、この手紙が中から出てきたのだ。


白いそっけないコピー用紙に新聞や雑誌の切り抜きかなんかだろうか。一文字一文字を四角く切り取って、糊付けされていた。


でもモノクロよりもカラフルな色が目立ったから、きっと雑誌だろう。


内容もあまり頭が良いとは思えない子供っぽい文面だ。新聞を取ってないのかもしれない。


「ご丁寧なことで」


手紙の端を指でつまんで目の前でひらひらさせてると、


「よ。熱烈ラブレターを貰ったって?」


と、まこが茶化すように笑って僕の肩を気軽に叩いてきた。


「かなり情熱的なものだよ。火傷しそうだ」


僕が苦笑いをしてまこの前に手紙を差し出すと、まこの整った眉が一瞬ぴくりと吊りあがった。


「これは、これは―――」


まこが大仰にため息をついて、肩をすくめた。