―――……本気…?
僕は目をまばたいてまこを見上げた。
まこは僕の疑問をあざ笑うかのように口元に笑みを浮かべる。
い…意地悪な笑顔だなぁ……
こうゆうときのまこって何を考えてるか全く分からなくて怖いよ。
まこはちょっと色っぽく長めの前髪を掻き揚げると、
「なぁあいつ……鬼頭って女子高生にしちゃエロいよな」
「は!?」
「ガキのくせして妙な色気っつうの?あるよな♪
制服の上からでも体つきがいいのが分かるし」
僕は目をゆっくりとまばたいた。
何か異国の言葉を聞くように、まこの言葉が頭を通り過ぎていく。
そのくせ、まるで墨汁のように真っ黒でドロドロした、嫌な感情が底の方にゆっくりと溜まっていく感じがした。
「最近の高校生ってのはススんでるらしいぜ?
ネットや雑誌なんかで情報が溢れてる世の中だからな。
一度味わってみたいもんだ」
まこが唇をその赤い舌でそっとなぞった。
ドクン……と心臓が嫌な音を立てて強く鳴り、
次の瞬間、僕はまこの首を片手で掴んでいた。



