「証明たってなぁ…単に知り合いだって言われたらおしまいだぜ?それに繋がりがあったって、それがストーカーに行き着くか…」
と、梶は弱気だ。
「今回の事件に右門 篤史が関わってることは間違いないよ。
現にあたしはそいつの名前を聞いてるわけだし。そうなったら、久米もまったくの無関係とは言えない」
思い違いかもしれない。記憶違いかもしれない。
だけど、あたしの中の第六感が、真実を繋げようとしている。
長谷川製鉄所に―――
答えがある。
あたしは鞄を引っつかんだ。
幸いにも久米は今日、この場に居ない。
乃亜が怯えてることと、あたしが怒ってることを考慮して、久米が
「今日のことはごめん。今日だけは鬼頭さんを困らせるようなことしないよ」
そう言って、大人しく帰っていった。
動くなら今しかない―――
あたしが立ち上がり、その後を梶と乃亜が慌ててついてきた。



