その後、まだ起きていそうな雰囲気の梶と明良兄を無理やり引き込んで、あたしたち三人はキッチンに向かった。
こんな真夜中に何をするかって??
それはヒミツ♪
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次の日、乃亜と梶と一緒に学校へ行くと、またも昇降口で久米と鉢合わせた。
「おはよ、鬼頭さん。珍しい、今日はストレートだね」
あたしのまっすぐに伸ばした髪を指差して久米がにこにこ笑う。
相変わらず朝から憎たらしいほど爽やかな笑顔がムカツク。
「…おはよ」
下駄箱を乱暴に閉めながら、あたしは久米から視線を逸らす。
バンっ!
梶が下駄箱に、乱暴に手を突いてあたしたちの間に割り込んできた。
「俺も居るんだけど」
梶は早くも戦闘態勢だ。だけどそんな敵意剥き出しの梶にも、久米はまったく怯まなかった。
久米は薄く笑うと、マイペースに上履きを地面に落とす。
「鬼頭さんしか見えなかった。ごめん」
「んだと!」
梶が久米の胸ぐらを掴もうとしたので、その後ろから乃亜が慌てて止めに入る。
「梶くん!やめなよ!喧嘩したら先生たち来るよ」
乃亜の言葉に梶が渋々ながら振り上げた拳をそっと下ろした。
何を考えているのだろうか…
顔に張り付けた笑顔で、まったく読めない。
あたしは諦めて踵を返すと、制服のポケットに両手を突っ込みながら踵を返した。



