HYPNOTIC POISON ~催眠効果のある毒~




そうとは思えない。


久米があたしを見る目は―――愛情とは違う強い感情。


まるで恨まれているような―――


そんな言葉の方がしっくりくる。


あたしはノートパソコンを戻すと、次に“長谷川製鉄所”を調べて見た。


簡単なホームページが載っていて、その会社自体特に不審なものではなかった。


「従業員数30人か。そんな大きな会社じゃないね」


30分の1の確率。久米となんらかの関係がある人間だ。


決して少なくないけれど、気の遠くなるような数字でもない。


でも、やみ雲に従業員を当たったら向こうだって警戒するはず。


もっと情報が必要かも…


あたしはため息をついてパソコンを閉じた。






――――


その晩は、さすがにみんなうちに泊まると言い張って、あたしが「帰って」と言う言葉を頑なに聞き入れなかった。


みんなが心配してくれる気持ちはありがたかったし、正直ちょっと参ってる部分もあったから、あたしは渋々ながらも首を縦に振った。


梶と明良兄は一階のリビングに、


乃亜はあたしと二人、あたしのベッドで―――それぞれ、眠りについた。


みんなが居るって言う安心感からかな。


久しぶりに深い眠りがやってきて―――




あたしはまたも夢を見た。