なん―――…で………?
何で知ってるの―――!?
「君のことは全部知ってるよ。君は復讐をやり遂げたが、ミイラ捕りがミイラになったみたいだね。
神代先生を好きになって、今は彼とラブラブだってことも俺は知ってる」
そう言いながら久米はケータイを取り出した。
スマホの大きな画面に映っていたのは―――あたしと水月が彼のマンションの部屋に一緒に入るところだった。
「これっ!どうしたんだよ!!」
梶が目を開いて久米の手元を凝視している。
あたしは最早返す言葉もなかった。
………いつの間に…
あたしが目を開いてケータイの画面と久米との間で視線を行ったり来たりさせていると、
「君が楠さんのお兄さんにやらせた方法を俺も取っただけだよ。どう?うまく取れてるでしょう?」
久米が楽しそうに笑い、だけどすぐに残念そうに眉を寄せた。
「これはもう少し後に君に見せるつもりだったけど、計画が狂っちゃったな。まさか尾行されるとは。
鬼頭さん、女優もいいけど、刑事や探偵も向いてるかもね?」
「あたしを脅そうって言うの?100年早いんだよ」
ようやく口を開いて久米を睨むと、逆に久米があたしを覗き込んできた。
「そうかな?案外早いと思うけど?君は俺と付き合うことになる」
深い黒色の―――闇のような……吸い込まれる瞳に見つめられて、あたしは目を開いた。



