この見知らぬ男……たぶん男だよね。


そいつからメールが届くようになってもう三日経つ。


一週間前から、あたしの靴箱に手紙が入れられていた。


白い封筒に、新聞や雑誌の文字を切り抜いて貼り付けてあった。


よくあるでしょう?テレビのドラマとか映画とかで脅迫者が脅しに使う脅迫文。あんな感じ。


最初は


“やっと会えたね”この一文だった。


誰だよ、こんな悪戯するヤツは。そう思って手紙をぐしゃりと握りつぶして気にしなかったけど、それから毎日靴箱に手紙が入れられていた。


文面は大抵、


“早く君に会いたいな”とか


“近いうち迎えに行く”とかだった。


さすがに四日も続くと、ちょっとだけ気味が悪くなった。


五日目には手紙と一緒に帰宅途中のあたしの写真が同封されていた。


そのときから見知らぬアドレスからメールが届き、


“僕はずっと君を見ている。いつも君の近くにいる”なんて文章が届いた。


どこであたしのメアドを入手したのか分からないけど、そんなのどうとでもなるし、相手からのアドレスも毎回違うもので誰が送ってきているのか、特定するのは難しかった。


見知らぬアドレスを拒否することも考えたけど、下手に刺激するとこうゆうヤツはどうでるか分からないから、やめた。


文面を見ると、あたしに好意を寄せているのだと最初は思ったけど、何となく違う気がする。


目的は―――


あたしが怖がって、それを楽しむことにある気がしたんだ。