「まぁ年齢に限らず、大抵男ってのはそうゆうこと考えてるよね」
そうゆう意味で本当の王子様ってのはこの世の中には存在しない。
ついでに言うと教師だって人間だから、当たり前にある感情だ。
水月だって男だから、保健医と一緒に居るときや酔ったとき何気なくそうゆう話も出るけど。
どんなにエロくても、あたしにとっての王子様は水月だけだよ。
それに引き換え、森本さんは何か潔癖そうだし結婚までは許しませんタイプだな、きっと……
でもそうゆうのに興味があるってのは男子たちだけじゃなく、女の子もそうなんじゃないかな。
特にこの年頃は。
あたしだって水月と居ると、いなくてもだけど……触れて欲しいし、触れたくなる。
性欲とは違うけど、もっとくっついていたいとか、もっと体温を共有したいとか。もっと間近で香りを感じたいとか。
もっと、もっと―――……
カタンっ
あたしは立ち上がった。
乃亜が目を上げてあたしを見た。
「どうしたの?」
「ん。ちょっと野暮用。次の授業までには戻ってくる」
それだけ言って、教室を出た。



