データのフォルダは普通に見られないようにしてある。


フォルダ検出のソフトか、もしくは検出できる腕前があれば問題ない。


ただ、バックアップのために毎日保健室に行かないといけないのは面倒だけどね。


「それは乃亜に任せていい?」


聞くと、乃亜は大きく頷いた。


「あたしとUSB。万が一両方同時に何かあった場合、検出も乃亜にお願いするよ」


「任せて」


「それから、作戦会議と題した集まりは不定期にあたしの家で。この前みたいに裏口から入ってきて。


予定の日も全部そのメモリに入れておく」


「画像とかも貼り付けれるのか?その、変なヤツとかいたらさりげなく撮っておくし」と梶がケータイを取り出して、あたしたちは二人顔を見合わせた。


「な、何?俺変なこと言った?」と梶は不安そうに眉を寄せる。


「ううん。梶にしちゃいいこと言ったじゃんて思ってさ。データ保管のことでそこまで頭が回らなかったよ」




「できるんだな。じゃ、早速今日、俺から」
「梶から」
「梶くんから」




あたしたちの声が揃って、梶はUSBメモリをあたしから取ると、それを制服のポケットにねじ込んだ。


ちょうど久米の周りにいた男子たちが笑顔でそれぞれどこかに散っていくとこだった。


梶が勢い良く立ち上がり、あたしたちはちょっと離れた場所でその様子を伺うことに決めた。