『聞いたわ。……けれど、俊くんは自分に傷をつけようとしてたのよね。あなたを、傷つける人じゃないもの』 『どこまで馬鹿なんだお前は。でも、今回はきっと誰も悪くないんだろうな』 ああ、きっと、 唯と利樹が一生懸命状況を話してくれたんだ。 俊から聞いて。 じゃないと、 いくらカッターを私に向けたんじゃなくても、俊を憎むはずだから。 私は、病室を見て少しほっとしたんだ。 俊がいなかったから。