「ねーさっちゃん、ダメ?」


7月の終わり、私は談話室にいたさっちゃんを捕まえてあるお願いをした。


「気持ちは分かるけど…」


眉を下げて曖昧な返事をする。


「お願いっ!!」


パンッと音を立てながら手を合わせ、頭を下げた。


「他の先生にも聞いてみなきゃ」


「山本がいいなんて言うわけないじゃん!?話分かってくれるから、さっちゃんにお願いしてるの」


「でも、私1人の判断で了解するわけにはいかないよ。万が一何かあったりしたらさ…」


腕を組みため息まじりにそう言った。


やっぱり普通にお願いしてもダメか…。