ブラジャーを外され、男の舌が胸に触れる。


「あっ」


いつもは演技で出す声が素で出た。


ただ、その声は気持ちいいからじゃなく嫌悪感から…。


いつもと同じなのに気持ち悪く感じる。


ぎゅっと目をつむり、耐えながら演技をしているとエンヴィの香りがしてきた。


暗かった視界に映し出される直樹の甘い笑顔。


パッと目を開いて起き上がった。


「ど、どうしたの?」


驚く男に、私も驚きの顔を返した。


何、今の…。


何で直樹…?


「ごめ…」


なぜだか分からないが、胸がしめつけられて涙がこぼれ落ちていく。