首を横に振りながら、顔を俯けた。


自分の髪で陽介から表情が読まれないだろうって思いながら。


「クスリやってたんだよ…。クスリやって酒飲みすぎてお風呂入ったから…」


微かにだけど、声が震えてる。


「クスリ…?あのてっちゃんが!?嘘だろ?何でお前知ってんの!?」


「先生たちが話してるの聞いちゃったから…」


そう嘘をついたけど、陽介は納得した声を出した。


「同室の子が、クスリやってたんだ。それで、色々過去のこと思い出して…」


「は!?やばくね!?それバレたら救護院行きじゃねーの!?」


知らない、そんなこと。


だいたい今は救護院なんて言わないんだよ。


なんて頭では考えられるけど、言葉にならないほど私は余裕がなくなっていた。