歩いて

「久しぶり。
ここで働いていたんだ。俺、結構入退院繰り返してたけど、会わないもんだね」




「…」




私が、知っている快斗だ。





普通に話す。





怒り口調でもなく、軽蔑した口調でもなく。





私の知っている快斗。





「もう暑いから病室に帰るね」





「うん…」




快斗はそう言い、病院の中に入る。






私はじっと快斗の背中を見ていた。






私は、はっとし腕時計をみる。




もうすぐ休憩時間は終わる。



私は、快斗と反対の入り口から病院に入り病棟へ戻る。