歩いて

「…大丈夫?」


「…うん。疲れたのかな」



勇太は心配そうな顔をしている。



「…果菜と色々話したかったけど、また今度な」



「…?何の話?気になる」


「…ざっくり言ったら将来の話」


将来?


…。



私は、はっとした。




結婚…?






勇太の顔をみると、夜道だけど真っ赤になっているのがわかった。





「…」



そんな顔を見ると私も顔が真っ赤になる。



「…ごめん。やっぱり今度ちゃんと話すから、今のは忘れて」



慌てている勇太。



「うん…」



お互いの顔を見ることができない。




「果菜、タクシーで帰るよね。俺、歩いて帰るから」



「うん」



ぎこちない2人。



タクシーをとめ、私一人だけ乗る。



「また連絡するから」


「うん」


勇太に手を振り、タクシーが出発する。