「由亜、高校は慣れた?」



「うん…。まだ親しい友達はできてないけど」



由亜の顔が曇った。



「まだ入学して5か月だもん、これからできるよ」



「うん…」



「また遊ぼうね」



由亜は、笑顔でうなずく。



「果菜が同じ高校だったらきっと楽しかったのに」



「快斗がいるでしょ」



由亜は前を歩く、快斗の背中を見る。



「快斗は、男だから。それに私達つきあってるわけじゃないから…」



由亜が溜息をつく。




由亜の気持ちはもう誰もわかっている。



快斗が好きなこと。



快斗自身もわかっているけど2人はつきあっていない。



2人の関係は、私と直斗もよくわからない。



快斗からこのことについて聞くこともないし、快斗から話してくることもない。



このままの関係。



だから、私も快斗に自分の気持ちを伝えることはないし、誰にも伝えることはない。