歩いて

どうしよう。



この声。



私は、この声を知っている。




懐かしい声。




あの頃はいつも聞いていた声。




胸が熱くなる。




顔をあげればきっといる。




あの人。




「久しぶり」



私は、顔を上げる。




「…直斗」